退職を決めたとき、いちばん不安になるのがお金のことではないでしょうか。私も退職したとき、「失業保険っていつからもらえるの?」「何を持ってどこへ行けばいいの?」と、調べることだらけでした。
この記事では、失業保険(正式には雇用保険の「基本手当」)を受け取るための手続きを、退職前の準備から初回振込まで順番に整理します。
※制度の内容は2026年7月時点の情報です。最新の運用はハローワークインターネットサービスやお近くのハローワークでご確認ください。
まず、自分が対象か確認する
基本手当を受け取れるのは、次のすべてを満たす人です。
- 働く意思と能力があり、実際に求職活動をしていること
- 原則、離職前2年間に雇用保険の加入期間が通算12か月以上あること
倒産・解雇など会社都合の離職(特定受給資格者)や一定の雇止めの場合は、離職前1年間に6か月以上で対象になることがあります。
注意点として、すでに転職先が内定している人や、病気・出産・育児などですぐに働けない状態の人は、通常の基本手当の対象外です。すぐ働けない場合は「受給期間の延長」という制度があるので、先にハローワークへ相談してください。
申請前に揃えるもの【チェックリスト】
| 書類・持参物 | 補足 |
|---|---|
| 離職票-1・離職票-2 | 退職後10日〜2週間程度で元の勤務先から届く |
| マイナンバーカード | ない場合は通知カード等+運転免許証などの本人確認書類 |
| 証明写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm) | 手続きのたびにマイナンバーカードを提示すれば省略可 |
| 本人名義の通帳またはキャッシュカード | 振込先の口座情報。一部指定できない金融機関あり |
写真の省略は「毎回マイナンバーカードを提示すること」が条件です。省略した場合、認定日などの手続きの都度カードの提示が必要になります。
申請から初回振込までの流れ

手続きは必ず住所地を管轄するハローワークで行います。受付は平日8:30〜17:15ですが、求職申込みに時間がかかるため、16時前の来所が推奨されています。
STEP1 離職票を受け取り、内容を確認する
届いた離職票-2の「離職理由」と賃金額に誤りがないか必ず確認してください。退職勧奨だったのに「自己都合」とされているなど、事実と違う場合は、証拠になるものを持ってハローワークで申し出ることができます。離職理由は給付制限の有無に直結する重要ポイントです。
STEP2 ハローワークで求職申込み・受給手続き
窓口で求職の申し込みと離職票等の提出を行い、受給資格の決定を受けます。この日が「受給資格決定日」です。
STEP3 待期期間(7日間)
受給資格決定日から通算7日間は、離職理由に関係なく全員が支給対象外です。この期間にアルバイトなどをすると待期が延びる可能性があるため注意してください。
STEP4 雇用保険受給者初回説明会に出席
指定された日時にハローワークへ行き、受給に関する説明を受けます。ここで「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が交付され、初回の失業認定日が案内されます。
STEP5 求職活動をして、認定日に申告する
原則4週間に1回の「失業認定日」にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出します。
必要な求職活動実績は、原則2回以上(初回認定時は1回以上)。求人への応募、ハローワークでの職業相談・職業紹介、セミナー参加、職業訓練の相談などが対象です。求人を眺めるだけ・転職サイトに登録するだけでは実績になりません。
STEP6 基本手当の振込
認定を受けた日数分が、通常は認定日から2〜5営業日程度(金融機関や連休の影響で最大1週間程度)で指定口座に振り込まれます。以降、再就職が決まるか給付日数が終わるまで、4週間ごとに認定を繰り返します。
自己都合退職の給付制限は「原則1か月」に短縮

ここは2025年4月に制度が変わった重要ポイントです。
- 会社都合退職(倒産・解雇・退職勧奨など):待期7日間の終了後から支給対象。初回振込は手続きから約1か月後が目安
- 自己都合退職(2025年4月1日以降の離職):待期7日間に加えて、原則1か月の給付制限。以前の「2か月」から短縮されました
ただし、過去5年以内に正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を2回以上受けている場合や、重責解雇の場合は給付制限が3か月になります。
また、離職期間中または離職日前1年以内に、厚生労働省が定める教育訓練を受講した場合は、給付制限が解除され、待期終了後から受給できる制度もあります。学び直しを考えている人には大きなメリットです。
知っておきたい注意点
受給できる期間は原則、離職日の翌日から1年間です。申請が遅れるとその分もらえる期間が削られる可能性があるため、離職票が届いたら早めに手続きしましょう。
離職票が届かない場合は、まず会社に確認を。それでも届かないときは、離職日の翌日から12日目以降であれば、ハローワークで「仮手続き」ができる場合があります。退職証明書など退職の事実がわかるものを持って相談してください。
アルバイトや就職が決まったら、収入の有無にかかわらず必ず申告してください。無申告は不正受給となり、返還命令や納付命令の対象になります。
早期に再就職が決まった場合は、支給残日数などの条件を満たせば「再就職手当」を受け取れる制度があります。
当日のチェックリスト
- 離職票-1・2を持った
- マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)を持った
- 通帳またはキャッシュカードを持った
- 離職票の「離職理由」を確認した
- 住所地を管轄するハローワークの場所を調べた
- 16時前に到着できるスケジュールにした
まとめ
失業保険の手続きは、「離職票を受け取る → ハローワークで求職申込み → 待期7日 → 説明会 → 4週間ごとの認定 → 振込」という流れです。2025年4月からは自己都合退職でも給付制限が原則1か月に短縮され、以前よりずっと受け取りやすくなりました。
退職前の準備全般については退職前に準備しておくべきこと完全チェックリストも参考にしてください。退職後に「学び直し」を選んだ経緯はこちらの体験談に書いています。
参考
退職理由が体調不良の場合は、給付制限がなくなる「特定理由離職者」についてこちらの記事で解説しています。次のキャリアを考える際はキャリアコーチングや就労移行支援サービスも参考にしてください。
健康保険や国民年金、住民税など退職後の他の手続きについてはこちらのガイドにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. 失業保険(基本手当)を受け取れる条件は?
A. 働く意思と能力があり、実際に求職活動をしていること、原則として離職前2年間に雇用保険の加入期間が通算12か月以上あることが必要です。倒産・解雇など会社都合の離職の場合は、離職前1年間に6か月以上で対象になることがあります。
Q. 申請前に何を準備すればいいですか?
A. 離職票-1・離職票-2、マイナンバーカード(ない場合は本人確認書類)、証明写真2枚、本人名義の通帳またはキャッシュカードが必要です。
Q. すぐに働けない場合はどうすればいいですか?
A. 病気・出産・育児などですぐに働けない状態の人は通常の基本手当の対象外ですが、「受給期間の延長」という制度があるため、先にハローワークへ相談してください。
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