退職すると、会社が代わりにやってくれていた健康保険・年金・住民税の手続きを、すべて自分で行う必要があります。「何から手をつければいいか分からない」という方のために、この記事では退職後に必要な社会保険と税金の手続きを整理します。
※制度の内容は2026年7月時点の情報です。金額や条件の詳細はお住まいの市区町村や年金事務所でご確認ください。
健康保険:国民健康保険か、任意継続か
退職すると会社の健康保険の資格を失うため、次のいずれかを選んで手続きする必要があります。
| 国民健康保険 | 任意継続被保険者制度 | |
|---|---|---|
| 手続き期限 | 資格喪失日(退職日の翌日)から14日以内 | 資格喪失日から20日以内 |
| 加入条件 | 特になし | 資格喪失前日までに継続2か月以上の被保険者期間があること |
| 加入期間 | 次の保険に切り替えるまで | 最長2年間 |
| 手続き先 | お住まいの市区町村窓口 | 元の勤務先の健康保険組合・協会けんぽ |
保険料はどちらが安くなるか、前年の所得や自治体によって変わります。任意継続は在職時の保険料がベースになりますが、会社負担分がなくなるため在職時より高くなるのが一般的です。国民健康保険は前年所得と世帯人数で決まります。どちらが得かは人によって違うため、両方の見込み額を確認してから選ぶのがおすすめです。
手続きの際は、離職票や退職証明書、マイナンバーが分かるもの、本人確認書類を持参します。手続き自体は窓口で15〜30分程度です。
期限を過ぎるとどうなるか:14日を過ぎても国民健康保険には加入できますが、加入すべきだった日まで遡って保険料を請求されます。無保険の期間に医療機関にかかると全額自己負担になるため、早めの手続きが大切です。
国民年金への切り替え
会社員は厚生年金(第2号被保険者)に加入していますが、退職すると国民年金の第1号被保険者への切り替えが必要です。
- 手続き期限:資格喪失日の翌日から14日以内
- 手続き先:お住まいの市区町村の年金窓口
- 必要書類:年金手帳(基礎年金番号が分かるもの)、離職票などの資格喪失を証明する書類、本人確認書類
退職直後で収入が不安定な場合、保険料の納付が難しいこともあります。そのようなときは「保険料免除・納付猶予制度」を利用できる場合があります。失業を理由とした特例免除の制度もあるため、納付が厳しい場合は未納のままにせず、必ず年金事務所や市区町村の窓口に相談してください。
住民税の支払い
住民税は前年の所得に対して課税されるため、退職して収入がなくなった後も、決まった額を支払う必要があります。支払い方法は退職する時期によって変わります。
- 1月〜5月に退職した場合:退職月の給与や退職金から、その年の5月分までの住民税がまとめて差し引かれる「一括徴収」になるのが一般的です
- 6月〜12月に退職した場合:自宅に納付書が届き、自分で納付する「普通徴収」に切り替わります。年4回の分割、または一括での納付を選べます
転職先が決まっている場合は、希望すれば給与天引き(特別徴収)を転職先で継続できることもあります。会社の担当者に確認してみてください。
退職後にまとまった住民税の納付書が届いて驚く人は少なくありません。退職前におおよその金額を把握し、当面の生活費とは別に用意しておくと安心です。
手続きの順番とタイミング
- 退職日に会社から離職票・源泉徴収票・年金手帳(会社が預かっている場合)などを受け取る
- 退職日の翌日から14日以内に、健康保険(国民健康保険または任意継続)の手続きをする
- 同じく14日以内に、国民年金の切り替え手続きをする
- 住民税の納付書が届いたら、内容を確認して納付する
健康保険と年金はどちらも「資格喪失日の翌日から14日以内」という期限が共通しているため、同じタイミングで市区町村の窓口へ行くと一度で済ませられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 国民健康保険と任意継続、どちらを選べばいいですか?
保険料の見込み額を比較するのが確実です。市区町村窓口や協会けんぽに問い合わせれば、それぞれの概算を教えてもらえます。扶養家族が多い場合は任意継続の方が有利になるケースもあります。
Q2. 手続きに行く時間がない場合はどうすればいいですか?
健康保険・年金ともに、代理人による手続きや郵送での手続きに対応している自治体もあります。お住まいの市区町村の窓口に事前に電話で確認してみてください。
Q3. 失業保険を受給している間の国民健康保険料はどうなりますか?
倒産・解雇や特定理由離職者に該当する場合、国民健康保険料の軽減措置を受けられることがあります。詳しくは傷病手当金の受け取り方と、退職後の失業保険で損しないための知識でも触れているので参考にしてください。
Q4. 住民税を滞納するとどうなりますか?
延滞金が発生するほか、滞納が続くと財産の差し押さえに至ることもあります。支払いが難しい場合は、滞納する前にお住まいの市区町村の税務窓口に相談し、分割納付などの相談をすることをおすすめします。
こんな人におすすめ
- 退職が決まったが、保険や年金の手続きを何も調べていない人
- 国民健康保険と任意継続、どちらが得か分からず迷っている人
- 退職後にまとまった税金の請求が来るのが不安な人
退職前の準備全般は退職前に準備しておくべきこと完全チェックリストに、失業保険の申請手続きは失業保険の申請ガイドにまとめています。
まとめ
退職後の手続きは、健康保険・年金ともに「資格喪失日の翌日から14日以内」が基本の期限です。住民税は退職時期によって支払い方が変わるため、事前に把握しておくと慌てずに済みます。まずは期限のある手続きから順番に片付けていきましょう。
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