退職後の確定申告、必要なケースは?医療費控除で還付を受ける方法

源泉徴収票と電卓で確定申告の書類を確認する手元 基礎知識

年の途中で退職し、そのまま年内は働かない場合、確定申告が必要になることがあります。会社員のときは年末調整があったため意識してこなかった方も多いテーマですが、退職後の税金の扱いを知らずにいると、本来受け取れるはずの還付を逃してしまうこともあります。この記事では、退職後に確定申告が必要になるケースを整理します。

退職者は年末調整の対象外になることが多い

年の途中で退職した人は、原則として年末調整の対象になりません。年末調整の対象になるのは、死亡により退職した人、海外転勤などにより非居住者となった人、著しい心身の障害により退職した人(再就職して給与を受ける見込みのある人を除く)、12月に支給される給与を受け取ったあとに退職した人など、限られたケースのみです。パートタイマーなどの場合は、その年に支払を受ける給与の総額が一定額以下で、退職後に同じ年中に他の勤務先などから給与を受ける見込みがない人が対象に含まれます。この金額は年分によって変わり、令和8年分は136万円以下です(国税庁No.2665、2026年10月確認)。そのため、多くの人は年内に再就職しなければ、自分で確定申告を行う必要があります。

年内に再就職しない場合、確定申告の時期は、例年、翌年2月16日〜3月15日です(年によって変わる場合があるため、国税庁の案内で確認してください)。会社から受け取った源泉徴収票をもとに手続きします。

確定申告が必要になる主なケース

①年内に再就職しなかった場合

年末調整を受けられないまま年を越すと、給与から天引きされていた 源泉徴収された税額が正しく精算されません。多くの場合、確定申告をすることで払いすぎた税金が還付されます。

②医療費控除を受けたい場合

支払った医療費の合計から、保険金などで補てんされる金額(高額療養費など)を、その給付の対象となった医療費の額を限度として差し引いた額が、年間10万円を超える場合(総所得金額等が200万円未満の方は所得の5%を超える場合)、医療費控除を受けられる可能性があります。医療費控除は年末調整では申告できないため、対象になる方は確定申告が必要です。適応障害やうつ病で継続的に通院していた場合、この医療費控除の対象になるケースは少なくありません。診断書のもらい方についてはこちらの記事も参考にしてください。

③傷病手当金を受け取っていた場合の注意点

健康保険の傷病手当金そのものは非課税のため、傷病手当金の受給自体について確定申告をする必要はありません。ただし、退職前の給与所得については通常どおり確定申告の対象になるため、傷病手当金を受け取っていたかどうかにかかわらず、年内に再就職しなければ確定申告は必要になる点に注意してください。傷病手当金の制度についてはこちらの記事で解説しています。

確定申告に必要な主な書類

  • 退職した会社から発行される源泉徴収票
  • 医療費控除を受ける場合は医療費の領収書・明細
  • 国民健康保険料・国民年金保険料の支払証明(社会保険料控除の対象)
  • マイナンバーが確認できるもの

国民健康保険・国民年金への切り替えなど、退職後の社会保険手続き全体についてはこちらの記事にまとめています。

まとめ

年の途中で退職し、年内に再就職しなかった場合は、多くのケースで確定申告をすることで払いすぎた税金が還付されます。医療費控除の対象になる方はさらに還付額が増える可能性もあるため、「面倒だから」と放置せず、翌年の申告時期に必要書類を揃えておくことをおすすめします。

※この記事は一般的な情報整理を目的としており、個別の税務判断については税務署や税理士など専門家にご確認ください。

※本記事の内容は、2026年10月に国税庁の公式情報(タックスアンサー No.1120、No.2665)で確認した時点のものです。最新の内容は国税庁の案内や税務署でご確認ください。

にげキャリ編集部

実際にパワハラを理由とした休職・退職を経験し、失業保険や職業訓練などの制度を自分で調べながら次のキャリアへ進んだ経験をもとに、「逃げてもいいキャリア論」を運営しています。プライバシー保護のため個人が特定される情報は非公開としていますが、記事の内容はできるだけ公的な一次情報を確認したうえで発信しています。

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