「今週の逃げてもいいキャリア論コラム」、記念すべき第1回は、このブログを書いている私自身の退職体験について、Q&A形式でお話しします。制度の話ではなく、あくまで一個人の経験談として読んでいただけたらうれしいです。
Q1. 退職を意識し始めたきっかけは?
私は小さな会社に企画営業として入社しました。同時期に中途採用で入った同期が私を含めて3人いたのですが、1人は社長からのパワハラで約1ヶ月半、もう1人は職務内容と会社の要望のミスマッチで2ヶ月ほどで、それぞれ辞めていきました。
仕事自体は楽しくやれていたのですが、同期が立て続けにいなくなったことで、辞めた2人の分の仕事まで私が背負うことになり、限界を感じ始めました。そんな中、業務中に腰と腕を痛めて労災認定を受け、2週間ほど休むことになったのですが、その間に溜まっていく仕事量を考えると気持ちがどんどん沈んでいきました。社長の普段からのパワハラじみた言動も重なって、このあたりから退職が頭をよぎるようになりました。
Q2. 会社に伝えてから退職するまでは、どんな流れでしたか?
労災で休んでいる時期に、眠れない・涙が止まらないといった症状が出てきたため精神科を受診し、適応障害と診断されました。会社には適応障害での休職として伝え、2ヶ月間休みました。
3ヶ月目への更新自体は可能だったのですが、家庭の事情もあり、主治医とも相談したうえで判断しました。先生からは「会社に戻ろうとする気持ちが、かえって憂鬱感や不眠を引き起こしている」と言われ、「辞める方が体のためになる」というアドバイスをもらいました。戻りたい気持ちもありましたが、最終的には自分の心身を優先して退職を決意しました。会社には退職の1ヶ月ほど前に伝え、特に揉めることなく受理してもらえました。
Q3. 当時いちばん辛かったこと、逆にやっておいてよかったことは?
いちばん辛かったのは、不眠やストレスからくる気分の浮き沈み(今思えば躁鬱状態に近かったと思います)です。テンションが急に上がったり、逆に何もやる気が起きなくなったり、自分でも自分の状態がよくわからなくなる感覚がつらかったです。
逆にやっておいてよかったのは、精神科にきちんと相談したことです。実は地元の精神科に片っ端から電話したものの、どこも「新規受付は行っていません」という回答ばかりで途方に暮れていました。そんな時にインターネットで見つけたのが、LINE通話などオンラインで診療してくれるクリニックでした。画面越しでも先生はしっかり話を聞いてくれて、そこで発行してもらった診断書だけで休職の手続きも最後まで問題なく進みましたし、退職後の失業保険についても特定理由離職者として受給資格が認められました。「対面で通えないと診療してもらえない」と思い込んでいたのですが、今はオンラインという選択肢があると知れたことは、やってみて初めてわかった内容の一つでした。
Q4. 当時の自分に一言かけるとしたら?
「大丈夫だよ。時間が経てば、そのもやもやした気持ちはちゃんと晴れるから、何も焦ることないよ」と伝えたいです。当時は「このまま一生この状態が続くんじゃないか」という不安が大きかったのですが、今振り返るとそんなことはありませんでした。渦中にいるときほど視野が狭くなりがちなので、同じような状況にいる方にも、この言葉をそのままお届けしたいです。
特定理由離職者の制度についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
※このコラムは筆者個人の体験に基づく内容です。症状や制度の適用は人によって異なりますので、実際の手続きや診断については医療機関・専門機関にご確認ください。
「逃げる」ことへの罪悪感についてはこちらの記事で、退職代行を使わずメールだけで辞めた体験談は社長がパワハラ上司。適応障害で休職し、退職代行を使わずメールだけで辞めた話でも紹介しています。


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