退職したら、すぐに次の仕事を探さなければいけない。そう思い込んでいる人は多いと思う。実際、私自身もそうだった。でも振り返ってみると、「すぐに動かなかったこと」が、結果的に今につながっている。
1. 「早く次を決めなきゃ」という焦りの正体
会社を辞めた直後、頭の中を占めていたのは「早く次の仕事を見つけなければ」という焦りだった。収入が途絶える不安、経歴に空白ができる不安、周囲からどう見られるかという不安。これらが合わさって、「とにかく早く」という気持ちに拍車をかけていた。
でも、適応障害の診断を受けて辞めた身としては、そのまま焦って次の職場に飛び込むことに、正直かなりの怖さがあった。同じことを繰り返すのではないか、という不安もあった。
2. 特定理由離職者だからこそできた「待つ」という選択
前の記事でも触れたが、私は適応障害が理由の退職だったため「特定理由離職者」として扱われ、待機期間なしですぐに失業保険を受け取ることができた。これが、精神的にも経済的にも「一旦立ち止まる」余裕を作ってくれた。
もし通常の自己都合退職だった場合、給付までに一定の期間がかかる。その間の生活の不安が、「とにかく早く次を決めなければ」という焦りをさらに強めていた可能性が高い。制度を知っていたかどうかが、選べる選択肢の幅を左右すると実感した。
3. なぜ「すぐ転職」ではなく「学び直し」を選んだのか
余裕ができたことで、私は「とりあえず似たような仕事に就く」のではなく、一度立ち止まって考える時間を取ることにした。
正直、当時の自分に「今すぐ次の会社で同じように働けるか」と聞かれたら、自信を持って「はい」とは言えなかった。心の回復が追いついていない状態で無理に働き始めても、また同じような状況に陥るリスクがある。そう感じていた。
そんな時、失業保険を受給しながら職業訓練を受けられるという制度を知った。これなら、収入がゼロにならないまま、新しいスキルを学ぶ時間に充てられる。「治療の延長線としての学び直し」のような感覚だった。
4. 職業訓練で学んだことが、今につながっている
職業訓練では、Webマーケティングを中心に学んだ。約半年間、勉強をしながら失業保険を受け取り続けることができた期間だ。
正直、辞めた直後の自分からは想像もつかなかったが、この期間に学んだことが、今、フリーランスとして複数のコンテンツブランドを運営する土台になっている。もしあのとき焦って「とりあえずどこかに再就職」していたら、今とは全く違う道を歩んでいたと思う。
すぐに動くことが必ずしも正解ではない。むしろ、一度立ち止まって「何を学び直すか」を考えた時間こそが、遠回りに見えて一番の近道だった。

5. 「すぐ動くべき人」と「一度立ち止まるべき人」の見極め方
とはいえ、誰にでも「学び直し」が正解とは限らない。私の実感としては、次のような視点で考えるといいと思う。
すぐに動いた方がいいかもしれない人: 経済的な余裕が少なく、収入の空白をできるだけ短くしたい人。同じ業界・職種でのキャリアの連続性を重視したい人。
一度立ち止まった方がいいかもしれない人: 心身の回復が優先課題になっている人。今の延長線ではなく、別の方向に進みたいと感じている人。失業保険や職業訓練など、経済的な支えとなる制度を使える状況にある人。
どちらが正しい・間違っているという話ではなく、自分が今どちらの状態にあるかを、焦る前に一度整理してみることが大事だと思う。
6. 制度を「知っているかどうか」で選べる道は変わる
私の場合、特定理由離職者としての給付、そして職業訓練という制度を知らなければ、選べる選択肢はもっと少なかったはずだ。焦りに任せて動くしかなかったかもしれない。
こうした制度は、ハローワークで詳しく相談できる。退職理由や状況によって使える制度は変わってくるので、「今の自分にどんな選択肢があるのか」を、早い段階で確認しておくことをおすすめしたい。

7. まとめ
退職後、すぐに転職活動を始めることだけが正解ではない。特に、心身の回復が必要な状況にあるなら、一度立ち止まって学び直す時間を作ることも、十分に理にかなった選択肢だ。
大事なのは、「早く動かなければ」という焦りに流されるのではなく、自分がどんな状態にあるのか、どんな制度を使えるのかを、一度冷静に整理してみることだと思う。
退職代行サービスの比較や、非弁リスクの正しい理解については、それぞれ別の記事でまとめている。
(この記事は個人の体験談であり、法的・制度的な助言ではありません。失業保険や職業訓練の利用については、最寄りのハローワークにご確認ください。)
実際にどのように職業訓練校を選んだかはこちらの体験談に書いています。


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