退職代行を使った人のリアルな声まとめ ― データで見る利用実態

サービス比較

「実際に退職代行を使っているのはどんな人なんだろう」「自分と同じような理由で使っている人はいるのか」。この記事では、個々の口コミを寄せ集めるのではなく、公的な調査データから見えてくる利用者の傾向を整理する。

1. どんな人が使っているのか

年代で見ると、20代の利用が突出して多い。マイナビの調査では、直近1年間に転職した人のうち退職代行を利用した割合は20代が18.6%で最多、年代が上がるにつれて割合は下がっていく。別の調査でも、20代が全体の6割以上を占めるという結果が出ている。

年代別退職代行サービス利用率のグラフ

とはいえ、若年層だけのものではない。最年少15歳から最高齢71歳まで、幅広い世代に利用されているというデータもあり、40代・50代の利用者も一定数存在する。実際、東京商工リサーチの調査では、50代が6.4%、60代以上でも2.8%の企業で退職代行の利用実績があったと報告されている。

職種については、営業職が最も多く、次いでクリエイター・エンジニア、企画・経営・管理・事務が続く。別の調査では、サービス業と製造業が突出して多いという結果もあり、人手不足や長時間労働が発生しやすい業界・職種で利用されやすい傾向がうかがえる。

2. なぜ使うのか

利用理由として最も多く挙げられているのは「退職を引き留められた、または引き留められそうだから」で、約4割を占める。次いで「自分から退職を言い出せる環境でないから」「退職を伝えた後トラブルになりそうだから」が続く。

退職代行を利用した理由のグラフ

別の調査でも同様の傾向で、「退職を言い出しにくかったから」が半数、「すぐに退職したいから」が44%、「人間関係が悪かったから」が32%という結果が出ている。パワハラやハラスメントの被害を理由に挙げる回答も一定数見られる。

これらを見ると、退職代行は「怠けたいから使う」ものではなく、「自分の力だけでは円滑に退職できない状況にある人」が選ぶ手段になっていることが分かる。

3. 「使ってよかった」という声に共通する傾向

個別の口コミを見ていくと、共通して挙がるポイントがいくつかある。

一つは、会社と直接やり取りする必要がなくなったことへの安堵感。上司や社長と顔を合わせず、電話にも出ずに退職手続きが完了したことを評価する声が多い。もう一つは、想像していたより早く退職が完了したという声。即日対応をうたう業者も多く、「引き延ばされるかもしれない」という不安が杞憂に終わったというパターンが目立つ。

4. 「使って後悔した」という声に共通する傾向

一方で、注意すべき傾向もある。記事③で触れた非弁行為に関連するトラブルはその代表例で、「有給消化の交渉もしてくれると思っていたのに、実際は伝言だけだった」というミスマッチが起きるケースがある。これは、運営元(弁護士・労働組合・民間企業)によってできることが違うという事実を、利用前に理解していなかったことが原因になっていることが多い。

また、安さだけで業者を選んで、いざという時に対応してもらえなかったという声も見られる。記事③で紹介したチェックポイントは、こうした後悔を避けるためのものでもある。

5. 自分の経験と重ねてみて

私自身は、退職代行サービスそのものは使わなかった。ただ、記事①で書いた通り、社長という逃げ場のない上司からのパワハラ、休業中も続いた連絡、そして「言い出せない」という感覚は、ここで紹介したデータの中の「引き留められそう」「自分から言い出せる環境でない」という利用理由と、驚くほど重なっている。

データを見て改めて思うのは、自分が特別な状況にいたわけではなく、同じような理由で悩んでいる人が、統計として可視化されるほどの規模で存在しているということだ。

夕方の窓辺に置かれたノートのイメージ

6. まとめ

退職代行を使う人の多くは、「言い出せない」「引き留められそう」という、自分ではコントロールしにくい状況に置かれている。そして、使ってよかったという声の多くは「会社と直接やり取りしなくて済んだこと」に集約される一方、後悔の多くは「業者選びのミスマッチ」に起因している。

具体的なサービスの比較については、別記事でまとめている。

(この記事は複数の公開調査データをもとにした傾向の整理であり、特定の個人の体験を転載したものではありません。)

にげキャリ編集部

実際にパワハラを理由とした休職・退職を経験し、失業保険や職業訓練などの制度を自分で調べながら次のキャリアへ進んだ経験をもとに、「逃げてもいいキャリア論」を運営しています。プライバシー保護のため個人が特定される情報は非公開としていますが、記事の内容はできるだけ公的な一次情報を確認したうえで発信しています。

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