退職代行、なぜ私は使わなかったのか。田舎暮らしと、あるニュースの話

体験談

退職代行という選択肢について、正直に言うと「使うかどうか迷った」というより、「最初から候補に入らなかった」というのが当時の実感に近い。今振り返ると、その理由の両方とも、実は思い込みだったと分かる。

1. 「都会のサービス」だと思い込んでいた

当時、退職代行という言葉自体はニュースやネットで見聞きしていた。ただ、なんとなく「都会の会社員が使うもの」というイメージが先にあった。私が住んでいるのは地方の田舎で、そもそもそういうサービスが自分の住む場所でも使えるのか、考えたことすらなかった。

今になって調べると、これは完全な思い込みだった。退職代行のほとんどは、電話・LINE・メールでのやり取りだけで完結する。物理的にオフィスへ行く必要も、対面での面談も基本的に不要で、地方に住んでいるかどうかは、サービスを使えるかどうかに関係がない。当時の私は、その事実を知らないまま、選択肢そのものを最初から外していたことになる。

田舎の田園風景に伸びる一本道のイメージ

2. ちょうど見たニュースが、不信感を決定づけた

もう一つの理由は、もっと直接的だった。ちょうど退職を考えていた時期に、テレビで退職代行に関するニュースを見た。詳しい内容までは覚えていないが、資格を持たない業者が、弁護士でなければできない交渉行為を行って問題になった、というような趣旨の報道だったと思う。

このニュースを見て、「退職代行って、なんだか怪しいものなのかもしれない」という印象が一気に固まった。冷静に考えれば、これは業者ごとの運営形態の違いの話であって、退職代行というサービス全体が危ないわけではない。だが当時の私には、そこまで切り分けて考える余裕はなかった。一つの報道が、サービス全体への不信感に変わってしまった。

夜、テレビを見るソファのイメージ

3. それでも、辞めることはできた。けれど

結果的に、私は退職代行を使わず、自分でメールだけを使って会社とやり取りをして辞めた。この経緯は別の記事でも書いた通りだ。診断書を盾にしながら、電話は一切使わず、メールのみで押し通した。

もちろん、それで辞めること自体はできた。ただ、正直に言うと、あの時期の消耗はかなり大きかった。もし「地方でも使えること」「業者によって運営形態が全く違うこと」をあの時点で知っていたら、少なくとも一つの選択肢として、退職代行を検討する余地はあったはずだと思う。

4. 今なら分かること

今、このサイトを作りながら調べ直して分かったのは、次の2点だ。

地方に住んでいても関係ない
退職代行はオンライン完結のサービスがほとんどで、住んでいる場所は利用の可否に影響しない。

「怪しい業者」と「まっとうな業者」は、そもそも別物
ニュースで問題になるのは、非弁行為(弁護士でない者が交渉行為を行うこと)を行った一部の業者の話であって、弁護士運営や労働組合運営のサービスとは、そもそも法律上の立ち位置が違う。この違いについては、別記事で詳しく整理している。

一つの報道や、根拠のない思い込みだけで、選択肢を丸ごと切り捨ててしまうのはもったいない。当時の自分にそう伝えたい。

5. まとめ

退職代行を使わなかった理由は、「都会のサービスだと思っていたから」「ニュースで見た不信感から」という、今思えばどちらも正確な情報に基づかない判断だった。

もし今、同じような思い込みで選択肢から退職代行を外している人がいるなら、まずは正確な情報を知ることから始めてほしい。業者ごとの違いについては、比較記事や非弁リスクの記事でまとめている。

(この記事は個人の体験と振り返りであり、特定の業者や報道内容を断定するものではありません。)

退職後の失業保険の手続きについてはこちらのガイドにまとめています。

にげキャリ編集部

実際にパワハラを理由とした休職・退職を経験し、失業保険や職業訓練などの制度を自分で調べながら次のキャリアへ進んだ経験をもとに、「逃げてもいいキャリア論」を運営しています。プライバシー保護のため個人が特定される情報は非公開としていますが、記事の内容はできるだけ公的な一次情報を確認したうえで発信しています。

にげキャリ編集部をフォローする
体験談
にげキャリ編集部をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました