退職代行サービスは数多くあるが、記事③で説明した通り、選ぶ際に一番大事なのは「運営形態」だ。ここでは実際に稼働している7つのサービスを、運営形態・料金・対応できる範囲という軸で比較する。

比較のポイントをおさらい
弁護士運営:交渉・請求まで対応可能。費用は高め。
労働組合運営:有給消化や未払い賃金の交渉が可能。費用は弁護士より抑えめ。
民間企業運営:できるのは「退職の意思を伝えること」のみ。交渉はできない。
この3つのどれに当てはまるかで、同じ「退職代行」でも対応できる範囲が大きく変わる。
比較表
| サービス名 | 運営形態 | 交渉対応 | 料金目安 |
|---|---|---|---|
| 弁護士法人ガイア総合法律事務所 | 弁護士運営 | ◎ 法的トラブルまで対応可 | やや高め |
| 円満退職ユニオン | 労働組合運営 | ◯ 有給消化・条件交渉が可能 | 標準的 |
| 男の退職代行 | 労働組合運営(男性専門) | ◯ 交渉可能 | 19,800円〜29,800円程度 |
| わたしNEXT | 労働組合運営(女性専門) | ◯ 交渉可能 | 19,800円〜29,800円程度 |
| 退職代行Jobs | 民間企業運営(組合加入オプションあり) | △ 基本は意思伝達のみ、追加料金で交渉対応も可 | 標準的+オプション料金 |
| AI退職代行 by行政書士 | 民間企業運営(行政書士監修・意思伝達のみ) | △ 交渉は非対応 | 2,980円〜と業界最安級 |
| 退職代行ネルサポ | 民間企業運営 | △ 意思伝達が中心 | 15,000円と業界最安級 |
※料金は変動する可能性があるため、依頼前に必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してほしい。
各サービスの特徴
弁護士法人ガイア総合法律事務所
弁護士が直接対応するため、パワハラの損害賠償請求や、会社との深刻なトラブルを抱えている場合でも任せられる。費用は他と比べて高めだが、「法的に確実な対応」を求める人には向いている。対応雇用形態も幅広く、正社員・契約社員・派遣・アルバイト・パートはもちろん、公務員・自衛隊・業務委託・内定辞退まで対応しているのが強み。

円満退職ユニオン
労働組合法人が運営しており、団体交渉権を持つ。会社側からの「損害賠償するぞ」といった圧力に対しても、正面から交渉できるのが強み。対応雇用形態は正社員・契約社員・派遣・パート・アルバイトが中心で、公務員や業務委託は対象外になる場合がある。

男の退職代行/わたしNEXT
どちらも「退職代行toNEXTユニオン」という同じ労働組合が運営する、性別特化型のサービス。男性・女性それぞれの悩みに寄り添った対応をしてくれる点が特徴で、労働組合運営なので交渉にも対応できる。対応雇用形態は正社員・契約社員・派遣・アルバイト・パート。労働組合型の性質上、公務員・自衛隊・業務委託は対応範囲外になる。


退職代行Jobs
基本プランは民間企業による意思伝達が中心だが、労働組合への加入オプション(追加料金)を選ぶことで交渉対応も可能になる、柔軟な仕組みを採用している。まず相談してみて、必要に応じて交渉オプションを検討するという使い方ができる。対応雇用形態は問わず、内定辞退にも対応している。

AI退職代行 by行政書士
対話型AIが会社に電話をかけ、退職の意思を伝達するサービス。行政書士事務所が運営・監修しているが、これは書類作成の専門性を担保するためのもので、労働問題の交渉代理権があるわけではない。運営元も「交渉や法的紛争の代理は行わない」と明言している。そのぶん料金は2,980円からと圧倒的に安く、交渉の必要がなく、とにかく費用を抑えたい人に向いている。対応雇用形態は正社員・契約社員・アルバイト・パートなど幅広く、18歳未満でも親権者の同意があれば利用できる。
退職代行ネルサポ
料金の安さが際立つサービス。現在は民間企業として、意思伝達を中心としたシンプルな退職手続きに対応範囲を絞っている。交渉が必要ない、円満に辞められそうな状況の人に向いている。対応雇用形態は問わず、正社員でもアルバイトでも一律料金で利用できる。

どれを選ぶべきか
退職代行を選ぶ前に知っておきたい法律の知識は非弁リスクの記事で、退職前にやるべき準備は退職準備チェックリストでまとめています。
記事③のチェックポイントに沿って考えると、判断基準はシンプルだ。
有給消化や未払い賃金などで会社と揉めそう→弁護士運営、または労働組合運営を選ぶ。特に交渉の必要がなく、意思を伝えるだけで済みそう→民間企業運営でも十分、費用を抑えられる。とにかく費用を最優先で抑えたい→AI退職代行 by行政書士のような低価格サービスも選択肢になる。性別特有の悩みに寄り添ってほしい→男の退職代行/わたしNEXTのような専門特化型も選択肢になる。
自分の状況が「交渉が必要かどうか」を先に整理しておくと、費用を無駄にせず、必要な対応を受けられるサービスを選びやすくなる。
(この記事に掲載した料金・対応範囲は執筆時点の情報です。各社の最新の料金・サービス内容は、必ず公式サイトでご確認ください。)

退職代行を使った人のリアルな声や利用実態のデータはこちらの記事で紹介しています。
有給消化や退職までの期間についての法的な考え方はこちらの記事にまとめています。
運営形態ごとの選び方については退職代行サービスの選び方|民間・労働組合・弁護士の違いと注意点を、実際に退職代行を利用した人のリアルな声は退職代行を使った人のリアルな声まとめ ― データで見る利用実態もあわせてご覧ください。


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